『無限大ANANTA』は、都市型オープンワールドRPGという過密ジャンルにおいて、従来の運営型タイトルの常識を根底から覆す野心作である。発表から3年を経て公開された最新ビルドでは、新規エリアとなる大都市『重霄(ちょうしょう)』を舞台に、息をのむようなシネマティック体験と高密度なワールド設計が惜しみなく披露された。基本プレイ無料のサービス運営型でありながら、まるで買い切りのAAA級アクションアドベンチャーを遊んでいるかのような濃密な没入感は、本作が目指す到達点の高さを雄弁に物語っている。
| タイトル | 無限大ANANTA |
| 開発元 | NetEase Games / Naked Rain |
| ジャンル | 都市型オープンワールドRPG |
| サービス開始日 | 2027年1月15日予定 |
| 対応プラットフォーム | PC / Steam / PlayStation 5 / iOS / Android |
| ビジネスモデル | 基本プレイ無料(アイテム課金制) |
動的なシネマティックが魅せる『無限大ANANTA』の物語体験
本作の試遊でまず圧倒されるのは、カットシーンとゲームプレイの境界を完全に排除したシームレスな画面構成である。新キャラクター『魏瓔瓏(ウェイ エイリュウ)』の視点から描かれる導入部では、緊迫した状況からダイナミックなアクション、ロケーション固有のギミックへと滑らかに移行していく。従来のサービス型アクションゲームに散見された、固定カメラでの会話劇や棒立ちによるテキスト送りとは明確に一線を画しており、名作アクション映画を自らの手で操作しているような感覚を強く想起させる。
特筆すべきは、使い回しを前提としないロケーション固有の演出を物語の随所に組み込んでいる点だ。敵との近接戦から車上での銃撃戦、高速ドライビング、ワイヤーアクションを用いたQTEへと目まぐるしく変化するゲームプレイは、通常の運営型タイトルであれば開発コストの観点から敬遠されがちな贅沢な作り込みである。定期的なアップデートが求められるサービス運営において、このAAA級のクオリティをいかにして維持し続けるのかという点は、今後の開発体制に対する大きな注目点と言える。
生活感とSF要素が共存する新マップ『重霄』の探索密度
今回体験可能となった新マップ『重霄』の農村エリアは、中国の杭州や上海の茶畑をモチーフにした瑞々しい自然風景が広がる。しかし、本作の真価は単なるグラフィックの美麗さにとどまらず、そこに息づくNPCたちの自律した生活感にある。掃除や労働に従事するロボット、茶棚で農作業に精を出す村人、特産品を売る商人など、視界に入るオブジェクトの多くが独自の行動パターンを持って稼働しており、静謐な田舎町に確かな生命感を吹き込んでいる。
さらに、田舎風の風景の中に突如として喋る自販機やサイバー調の機械が溶け込む独特のSF演出や、街中で奪って搭乗できる多彩なビークル、杭州の都市生活に着想を得たミニゲーム群など、インタラクションの選択肢は極めて豊富だ。キービジュアルの主人公キャプテンのみならず、巡察官やハッカー、配達員といった異なるバックボーンを持つキャラクターを切り替えることで、同じ都市であっても全く異なるアプローチで探索や戦闘を楽しめる設計が施されている。
2つの巨大都市が織りなすオープンワールドの将来性
現在判明している情報によれば、本作は大都市『新啓(しんけい)』と『重霄』という2つの現代アジア都市を軸に物語が展開する。高層ビルが林立するサイバーパンク調の市街地から、伝統的な景観を残す地方エリアまで、実在の大都市から得たエッセンスが緻密に再構築されている。マルチプラットフォームでこれほどの物量と密度を定期更新型で提供しようとする試みは、近年のゲーム市場においても極めて挑戦的であり、正式サービス開始に向けた期待は高まるばかりだ。
無限大ANANTAが示すサービス型アクションの新たな品質基準
使い回しのリソースに頼らず、専用のカメラワークと固有ギミックを惜しみなく投入する本作のアプローチは、運営型ゲームの体験価値を大きく引き上げている。キャラクター切り替えによる多角的な都市体験と、驚異的なNPCの生活感描写が組み合わさることで、単なるマップ踏破に留まらない濃密な都市生活シミュレーションとしての魅力が確立されつつある。
最終コンパス指数: 9.0 / 10