[Stupid Never Dies] 小林裕幸氏が放つ爆速成長3DアクションRPGの魅力と独自システムを徹底解説

Stupid Never Diesは、かつて『デビル メイ クライ』や『バイオハザード』、『ドラゴンズドグマ』といった数々のアクションゲームの金字塔をプロデュースしてきた小林裕幸氏が、2022年に設立した新スタジオGPTRACK50の処女作として放つ、極めて野心的な3DアクションRPGである。本作は単なるゾンビゲームの枠に留まらず、ゾンビが死者に恋をするというシュールかつ純粋な動機を軸に、敵を食べて自らを強化する独創的なメカニズムを組み込んでいる。ロサンゼルスで開催されたメディア向けクローズドセッションでのハンズオンを通じ、本作が目指すアクションの到達点が見えてきた。

Stupid Never Dies 公式カバー

▲ 公式カバーアート (提供: IGDB)

開発元 GPTRACK50
対応プラットフォーム PlayStation 5 / PC(Steam)
ジャンル 爆速成長3DアクションRPG
プロデューサー 小林裕幸
ディレクター 佐々木栄一郎
発売予定時期 2026年秋
公式リンク Steamストアページ

Stupid Never Diesが提示する爆速成長とスタイルイートの革新性

本作のゲームプレイにおける最大の柱は、爆速成長と銘打たれた独自のレベルデザインにある。Stupid Never Diesにおいて、プレイヤーはダンジョンに挑むたびにレベル1からのスタートを余儀なくされる。一見するとローグライク的なリセットに思えるが、本質は異なる。蓄積されるのはステータスそのものではなく、成長速度なのだ。前回のダイブでどれだけ敵を屠ったかが次回の成長率に反映され、プレイを重ねるほどレベルアップが加速していくこの仕組みは、繰り返しのプレイに強烈なカタルシスを与えている。

もう一つの核心的要素がスタイルイートシステムだ。最弱のゾンビである主人公デイビィは、倒した敵を食べることでその能力を自らのスタイルとして習得できる。スタイルは狼男やハーピー、ヴァンパイアなど全11種類に及び、それぞれが全く異なるアクションセットを持つ。特筆すべきは、これらが永続的なビルドではなく、フロア制限によって管理される流動的なリソースである点だ。強力なスタイルを温存するか、目前の強敵に注ぎ込むか。この戦略的判断が、刻一刻と変化する戦況に奥行きをもたらしている。

80年代の空気感と身体改造ボディハックが生む独自の世界観

Stupid Never Diesのビジュアル面において注目すべきは、80年代の商業施設を彷彿とさせるネオン彩るショッピングモールの拠点設定だ。この拠点は単なるメニュー画面ではなく、デイビィの能力を恒久的に拡張する重要な役割を担う。バイカーゾンビのベッシーやチワワ男のアセリノといった癖の強いキャラクターたちが営む店舗では、ゾンビスキルの開放やボディハックと呼ばれる身体改造が可能だ。ミサイルのような重火器をゾンビの身体に埋め込むOT(オーバーテクノロジー)ギアの存在は、本作の持つブラックユーモアとカオスな魅力を象徴している。

ダンジョン探索は制限時間との戦いでもあり、トイレから流されるというユニークな導入から始まる。深層へ進むほど報酬は豪華になるが、敵の脅威も増大する。スタイルイートによる一時的な強化と、ボディハックによる永続的な肉体強化。この二重の成長軸が、プレイヤーに常にリターンとリスクの天秤を強いる構造となっている。特に、レシート風に表示されるレベルアップ演出や、アコースティックギターの音色と共に現れる詩的な中ボスなど、細部に宿る演出の妙が、本作を唯一無二の作品に仕立て上げている。

Stupid Never Dies 公式アートワーク

▲ 公式アートワーク (提供: IGDB)

Stupid Never Diesが示すアクションゲームの新たな生存戦略
本作の真価は、食べるという行為を攻撃、回復、そして変身という複数のゲームサイクルに完璧に統合した点にある。かつてカプコンで数々のアクションを定義してきた開発陣が、既存のジャンルに囚われない爆速成長という解を導き出したことは、単なるインディー作品の枠を超えた業界への挑戦状とも受け取れる。ゾンビという手垢のついた題材を使いながら、ここまで新鮮なプレイフィールを構築できたのは、アクションの手触りに一切の妥協を許さないスタジオの矜持の現れだろう。

最終コンパス指数: 9.1 / 10

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