[STRANGER THAN HEAVEN] 先行試遊レポート 龍が如くスタジオが描く激動の50年と四肢操作の真髄

『STRANGER THAN HEAVEN』は、世界中のファンから高い支持を得ている「龍が如く」シリーズのRGGスタジオ(龍が如くスタジオ)が手がける完全新作のアクションアドベンチャーゲームだ。1915年から始まる激動の50年間を舞台に、日米のハーフである二人の主人公、大東真と真城優が過酷な運命に抗いながら生き抜く人間ドラマが描かれる。本作は一見すると従来のシリーズの系譜を継ぐように思えるが、戦闘システムや映像演出、操作インターフェースに至るまで、すべてを一から構築し直した意欲作となっている。

STRANGER THAN HEAVEN 公式カバー

▲ 公式カバーアート (提供: IGDB)

開発元 RGGスタジオ
発売予定日 2027年1月15日
対応プラットフォーム PC(Steam) / Xbox Series X|S / PlayStation 5
配信サービス Xbox Game Pass(発売当日から対応)
ジャンル アクションアドベンチャー

STRANGER THAN HEAVEN が提示する四肢操作という新たな挑戦

本作の戦闘において最も革新的な要素は、主人公の四肢(両手両足)のコントロールをコントローラーの4つのトリガー状ボタンにそれぞれ個別に割り当てている点だ。このシステムを初めて耳にした際、多くのプレイヤーは「複雑すぎて直感的な操作ができないのではないか」あるいは「単なる奇をてらったギミックに過ぎないのではないか」という懸念を抱くだろう。しかし、実際にプレイすると、この四肢をバラバラに操作するシステムこそが、本作が目指すリアルな「命のやり取り」の土台になっていることが理解できる。

プレイヤーは、右手での攻撃、左足での蹴りなど、状況に応じてボタンを組み合わせ、まるでボクシングのコンビネーションをその場で組み立てるように戦う。各部位のボタンを長押しすることで、強力な溜め攻撃を発動することも可能であり、直感的な移動スティック操作と相まって、極めて密度の高い格闘アクションが実現されている。この『STRANGER THAN HEAVEN』が表現しようとする独自のバトルスタイルは、従来のゲームにおけるボタン連打のコンボとは一線を画す奥深さを誇っている。

STRANGER THAN HEAVEN が見せる泥臭くも戦略的な戦闘システム

戦闘の肝となるのは、単なるボタンの連打ではなく、敵の攻撃方向を冷静に見極める「防御」と「パリィアクション」の攻防である。『STRANGER THAN HEAVEN』では、防御ボタンを押し続けることで被ダメージを軽減できるが、耐え続けるだけでは「気力」が減少して無防備になってしまう。そこで重要になるのが、敵の攻撃方向に合わせて対応する四肢の攻撃ボタンをタイミングよく入力するパリィシステムだ。

敵が右側から攻撃してきた瞬間に防御ボタンと右上トリガーを同時に入力できれば、完璧な受け流しから強力な反撃へと繋げることができる。ゲームの全体スピードは、現実の人間同士のぶつかり合いを表現するために意図的にゆったりと設計されており、プレイヤーに敵のモーションを観察するための十分な「思考時間」を提供している。これにより、高難度なタイミング重視のアクションでありながら、理不尽さを感じさせない絶妙なバランスが保たれているのだ。

STRANGER THAN HEAVEN 公式アートワーク

▲ 公式アートワーク (提供: IGDB)

武器の選択と状況判断が勝敗を分けるリアルな戦場

本作において、素手と武器装備の使い分けは生死に直結する。刃物を装備した敵の攻撃を素手でガードしようとすれば、致命的なダメージを受ける。しかし、懐から「台所包丁」を取り出し、刃物に対して刃物で応戦することで、戦況は劇的に改善される。本作では、右手に武器を持てば右側のアクションが、両手武器を装備すれば両手のアクションがダイナミックに変化し、ガード性能も大幅に向上する仕様だ。

素手での戦闘も軽視されているわけではない。周囲に存在する椅子などのオブジェクトを掴んで即席の凶器として投げつけ、敵をダウンさせるといった泥臭い戦術が可能だ。さらに、敵に掴まれた状態であっても、自由な残りの四肢を使って反撃できるなど、いかなる極限状態においてもあがき続けるサバイバル感が徹底して描き出されている。

没入感を極限まで高めるプレイヤーへの妥協なき戦闘デザイン

昨今のアクションゲームの多くは、敵のゲージを削りきって一方的に攻撃できる「チャンスタイム」を設ける傾向にある。しかし、本作にはそのような安易な救済措置は存在しない。どれほど優位に立っていても、地面に倒れた敵へマウントポジションから追撃する際であっても、常に敵には逆転のチャンスが残されている。プレイヤーが最後まで集中力と没入感を切らすことなく、張り詰めた緊張感の中で戦い抜くこの設計は、「誰もが必死に生き延びていた」激動の時代背景を色濃く反映している。

また、今回の試遊では、ステージの変遷(小倉から大阪へ)に伴い、主人公の年齢が上がり、言葉遣いや戦い方が荒々しいものから洗練されたものへと変化していく演出も確認できた。戦闘システムだけでなく、ゲーム全体を通じてキャラクターの半世紀にわたる生き様を表現しようとする開発姿勢には、非常に強い期待感を抱かざるを得ない。

STRANGER THAN HEAVEN が再定義するアクションゲームの身体性と緊迫感
本作の四肢を個別に操作するシステムは、単なる操作の複雑化ではなく、プレイヤーと主人公の身体感覚を同期させるための必然的なアプローチである。チャンスタイムを排除したシビアなゲームデザインは、常に死と隣り合わせだった時代の空気感を見事に再現している。「龍が如く」スタジオの蓄積されたノウハウをベースにしながらも、全く新しい哲学で構築された戦闘メカニクスは、令和のアクションゲームシーンに一石を投じるポテンシャルを秘めている。

最終コンパス指数: 9.2 / 10

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