KAZUMA KANEKO’S ツクヨミ は、悪魔絵師として名高い金子一馬氏がコロプラにおいてその才覚を遺憾なく発揮した、新機軸のデッキ構築型ローグライクRPGだ。2024年の電撃的な移籍発表から2年、前身となるタイトルの要素を昇華させた本作は、2026年4月23日の発売を目前に控えている。今回、幸運にも約75分の先行試遊機会を得た筆者が、その深淵なプレイフィールを報告する。
| 項目 | 詳細内容 |
|---|---|
| 対応機種 | Nintendo Switch |
| 発売予定日 | 2026年4月23日 |
| 価格(通常版) | 3,960円(税込)※ダウンロード専売 |
| 開発・販売 | コロプラ |
湾岸の摩天楼が変貌する、金子一馬独自の神話的世界観
本作の舞台「THE HASHIRA」は、外界から隔絶された超高層複合施設だ。突如発生したプラズマの結界により、華やかなタワーマンションは異形の「神魔」が跋扈する血塗られた迷宮へと変貌を遂げる。プレイヤーはエージェント「十六夜月のツクヨミ」を操り、この地獄を探索することになる。現代社会の象徴であるタワマンと、古来の神話が融合する不気味なコントラストは、まさに金子氏の真骨頂と言えるだろう。
特筆すべきは、3,600点に及ぶ膨大なカード「神魔札」のクオリティだ。図鑑には個々の神話的背景が緻密に記されており、テキストを読み込むだけでも数時間は溶けるほどの情報量がある。さらに、物語をノンストップで楽しめる「デジタルノベル」機能の搭載は、戦略ゲームに不慣れな層にも金子氏の紡ぐ群像劇を届けるという、開発陣の真摯なリスペクトを感じさせる設計だ。
KAZUMA KANEKO’S ツクヨミ が提示する戦略性と「神魔札」の深淵
ゲームの核となるのは、戦闘を通じてデッキを洗練させていくローグライク要素だ。タワーマンション内での選択肢はプレイヤーの傾向として蓄積され、謎の存在「オオカミ」から授かる特殊なカードの内容に影響を与える。このシステムが、単なるカード収集に止まらない自己投影的な深みを与えている。試遊では、神魔同士のトラブルに介入し、本来敵であるはずの存在から恩恵を受けるといった、混沌とした世界ならではのイベントも確認できた。
バトルシステムは、3枚のカードを組み合わせて攻防を行うターン制。特に防御が重要で、敵の攻撃部位に合わせて防御札を切る必要があるが、インターフェースは洗練されており直感的だ。十六夜月の初期デッキはバランス重視だが、ゲームを進めることで「新月のデッキ」や「登美のりこ」といった、高火力や特殊な運用を求めるプレイスタイルも解放される。デッキ構築の自由度は極めて高く、プレイヤー独自の解を模索する楽しさが凝縮されている。
デビルハンター参戦、スタイリッシュランクがもたらす爽快感
本作のもう一つの大きな目玉は、デビル メイ クライ 5とのコラボレーションだ。ダンテ、ネロ、バージルといった面々がカードとして登場し、独自の「スタイリッシュランク」システムを戦闘に持ち込む。ダンテのカードから連続攻撃を繋げることでランクが上がり、攻撃力が劇的に上昇していく様は、静的なカードバトルにアクションゲームのような高揚感を与えている。
特にボス戦において、お馴染みのBGMを背景にダンテを使いこなす体験は格別だ。初見殺しを排した丁寧な難易度調整がなされている一方で、カードの組み合わせ次第で爆発的な火力を叩き出せる設計は、ジャンル特有の「コンボを見つけ出す快感」をしっかりと担保している。金子一馬氏のデザインと、カプコンが誇るスタイリッシュアクションの魂が、Nintendo Switch上で見事な化学反応を起こしていた。
Game’s Compass Perspective: KAZUMA KANEKO’S ツクヨミ が切り拓く「作家性」と「利便性」の共存
チーフジャーナリストの視点として、本作はレジェンドクリエイターの濃厚な個性を守りつつ、デジタルノベルや丁寧なチュートリアルで間口を広げた稀有な成功例だ。金子一馬というブランドを単なる懐古に終わらせず、現代のデッキ構築ローグライクとして最高水準のプレイ体験に昇華させている点を高く評価したい。
最新情報の詳細は、公式サイトで確認可能だ。この春、私たちは摩天楼の頂で新たな神話の目撃者となるだろう。Game’s Compassで関連記事をもっと見る
最終コンパス指数: 8.8 / 10