[PUBG: Black Budget] 「PUBG: Black Budget」クローズドαテストから紐解く新世代PvPvEの全貌とバトルロイヤル本家との決定的な違い

KRAFTONのPUBG STUDIOSが開発を進めている新作PvPvEエクストラクションシューター「PUBG: Black Budget」の第2回クローズドαテストが、2026年6月26日から6月29日にかけて開催された。本作は世界的な大ヒットを記録した「PUBG: BATTLEGROUNDS」のDNAを受け継ぎつつも、ゲームデザインの根幹をバトルロイヤルから脱出サバイバルへと大胆にシフトした意欲作である。今回のテストプレイを通じて見えてきた本作独自のメカニクスと、プレイヤーに提供される新たな体験価値を深く掘り下げていこう。

PUBG: Black Budget 公式カバー

▲ 公式カバーアート (提供: IGDB)

開発元 PUBG STUDIOS (KRAFTON)
テスト実施期間 2026年6月26日〜2026年6月29日 (第2回クローズドαテスト)
ゲームジャンル PvPvE エクストラクションシューター
主な舞台 Coli島 (コリ島)

異常現象に蝕まれた南国の島「Coli島」と地に足のついたSF世界観

「PUBG: Black Budget」の舞台となるのは、青い海と濃い緑に囲まれた美しい南国の島「Coli島」だ。しかし、この島はただの楽園ではなく、タイムループにとらわれ、奇怪な超常現象と危険なクリーチャーに蝕まれたダークなSF世界として描かれている。島内には近未来的な研究施設やハイテクデバイスが点在しており、荒廃しながらもどこか不気味な美しさを漂わせる景観は、かつての名作「Crysis」を彷彿とさせる緊張感を生み出している。

プレイヤーは出撃前に3つの陣営から所属を選択し、それぞれ異なる初期装備や能力を携えて島へ潜入することになる。マップを確認する際には、左手に装着した多機能デバイスを実際に覗き込む演出が挟まれ、UI自体が世界観に溶け込んでいる。最大45人のプレイヤー(3人スクワッド、最大15チーム)が潜水艦から水中を経て島へ侵入するスタート演出も、従来のパラシュート降下とは一線を画す潜入ミッションとしての没入感を巧みに演出している。

エリア収縮とクリーチャーがもたらす独自の時間制限メカニクス

本作の最も特徴的なゲームデザインは、従来のバトルロイヤルから引き継がれた「エリア収縮(ゾーン)」と、エクストラクションシューター特有の「脱出制限」の融合にある。マップサイズは2.5km×2.5kmと比較的コンパクトに設計されており、車両などの乗り物は存在しないが、ジップラインによる高速移動がカバーしている。制限時間である最大30分に向けて徐々に安全地帯が狭まっていくため、プレイヤーは必然的に島の中央部へ押し流され、敵対プレイヤーや凶暴なクリーチャーとの遭遇率が加速度的に高まっていく仕組みだ。

PUBG: Black Budget 公式アートワーク

▲ 公式アートワーク (提供: IGDB)

島に生息する生物も極めて脅威だ。巨大な鉢のような姿をした飛行生物や、十字に裂ける口を持つワニ、さらには人型の怪物など、多種多様なクリーチャーがエリア全域を徘徊している。探索中の施設はカードキーで施錠されている場合もあるが、窓を割って侵入することも可能だ。ただし、強引な突破を試みると警報が鳴り響き、周囲のクリーチャーを呼び寄せるだけでなく、銃声を頼りに他のプレイヤーが忍び寄る「漁夫の利」の危険性を常に孕んでいる。この静と動の判断が、1セッションの密度を極限まで高めている。

カジュアルさとハードコアが絶妙に同居するリロードシステム

戦闘システムにおいて、「Escape from Tarkov」のような極限のリアル志向と、遊びやすさを重視したカジュアルさのバランス取りが興味深い。プレイヤーは事前に弾薬をマガジンへ込めておく必要があるため、銃撃戦の最中にマガジンが枯渇すれば、近接武器での応戦や一時撤退を余儀なくされる。その一方で、リグに空きスロットがない状態でリロードしてもマガジンを地面に落とすようなシビアなペナルティはなく、バックパック内のマガジンも認識されるため、過度なストレスを感じさせない設計が好印象だ。

ドローンによる物資回収と多角的な脱出アプローチ

安全にアイテムを持ち帰るための革新的なシステムとして「回収ドローン」の存在が挙げられる。屋外であれば1マッチに1回だけ、ドローンを展開して手に入れた貴重な素材や戦利品を先に拠点へ送り返すことができる。これにより、脱出直前に他チームに急襲されて全損するという悲劇を未然に防ぐことが可能となり、リスクヘッジの選択肢が広がっている。脱出手段自体も、序盤から利用できる潜水艦による即時離脱から、中盤以降に利用可能となるが起動時に大音量を放ち時間のかかるワームホールまで、戦況に応じたタクティカルな判断が求められる。

PUBG: Black Budgetが提示するバトルロイヤルのその先にある緊張感
本作は、バトルロイヤルブームの先駆者であるPUBG STUDIOSが、そのノウハウをPvPvEという新たな戦場に最適化させた野心作である。伏せ動作の廃止によるカバーアクションの限定化や、部位ダメージを排除したシンプルな単一HPゲージ仕様など、戦闘の複雑さを削ぎ落とす一方で、エリア収縮によって強制的に戦闘を誘発させるテンポ感は極めて優れている。拠点の拡張要素や3陣営との関係性変化といったメタゲームの作り込みも深く、シューターファンが長く付き合えるポテンシャルを十分に秘めている。

最終コンパス指数: 8.5 / 10

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