[レビュー] 007 ファーストライト 試遊レビュー | 攻略ルートの自由度と若きボンドの成長を徹底分析

007 ファーストライト は、伝説のエージェントが誕生する以前の物語を、圧倒的な没入感とともに描く最新作だ。本作は単なる映画のゲーム化にとどまらず、プレイヤー自身が戦略を組み立てる喜びを重視した「ヒットマン」シリーズの精神を色濃く継承している。26歳の若きボンドとして、どのように任務を遂行するかはすべてプレイヤーの知性に委ねられている。

007 First Light 公式カバー

▲ 公式カバーアート (提供: IGDB)

開発元 IO Interactive
発売予定日 2026年5月27日(Switch 2版は2026年夏後半)
対応プラットフォーム PC, PS5, Xbox Series X|S, Nintendo Switch 2
ジャンル ステルスアクション

26歳の若きジェームズ・ボンドが魅せる人間味溢れるドラマ

本作が描くのは、まだ「007」の称号を授与される前の、26歳のジェームズ・ボンドだ。我々が知る冷静沈着な熟練エージェントとは異なり、本作の彼は若さゆえの正義感と人間臭い情熱に満ちている。アイスランドのステージで彼が自らをただ「ボンド」と名乗る姿は、英雄の物語が始まる瞬間の高揚感をプレイヤーに与えてくれるだろう。

物語は彼の成長を軸に進み、ときには上司の命令を無視してでも己の信念を貫く危うさと強さが強調されている。マルタの訓練ステージで見せるエージェント候補生としての立ち振る舞いからは、後の伝説へと繋がる資質が随所に感じられた。IO Interactiveはこの「若さ」を、完成されたプロフェッショナルにはない「泥臭い試行錯誤」の楽しさとして、ゲームシステムに見事に落とし込んでいる。

007 ファーストライト における攻略ルートの多様性とヒットマンの系譜

007 First Light 公式アートワーク

▲ 公式アートワーク (提供: IGDB)

ケンジントンを舞台とした潜入ミッションでは、本作の核となる自由度が爆発する。会場への侵入方法は、警備員のリストを盗み見る「裏口ルート」から、雑誌関係者になりすます「変装ルート」まで、筆者が確認しただけでも4通り以上の主要ルートが存在した。誰かになり代わる際は、その人物の名前や背景情報を記憶しておく必要があり、単なるアクションではない「知的なスパイ体験」を味わえるのが最大の特徴だ。

ガジェットを用いたハッキング要素も秀逸である。DualSenseを活用した直感的な操作で、エアコンの室外機や街灯を遠隔操作し、敵の注意を逸らす駆け引きが楽しめる。特にスナイパーとの対決シーンでは、工事用クレーンを大胆に叩きつけて足場にするという、アクション映画さながらのダイナミックな解法も用意されており、プレイヤーの創造力を刺激してやまない。

Game’s Compass Perspective: 007 ファーストライト が提示する次世代スパイアクションの定義
本作の真価は「ヒットマン」のパズル的潜入と「007」のシネマティックな爆発力が共存している点にある。攻略ルートを自ら発見し、完璧に実行した際の達成感は、他のアクションゲームでは代替不可能だ。伝説の誕生をこれほどまでに重厚に描けるのは、IO Interactive以外にいないだろう。

戦闘とカーチェイスが生むメリハリのあるプレイフィール

ステルスを基本としつつも、発覚した際の肉弾戦や銃撃戦のクオリティも妥協がない。攻撃をダッキングで回避し、周囲の可燃物を利用して爆破を誘発する戦術は、若きボンドの頭脳の冴えを実感させる。また、今回の試遊では映像確認に留まったが、無骨なトラックでのカーチェイス中にお馴染みの「ジェームズ・ボンドのテーマ」が流れる演出は、ファンの期待を裏切らないサービス精神に溢れている。

製品版の発売は今月5月27日に迫っているが、本作はスパイゲームの新たな金字塔となる可能性を十分に秘めている。未完成の若きボンドがどのように伝説の「007」へと進化していくのか、その旅路を共にする日が待ち遠しい。これこそが、我々が待ち望んでいた「現代のスパイ体験」の正解である。

007 ファーストライト Steamストアページをチェック

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最終コンパス指数: 9.2 / 10

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